日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャオチヤンミエン」の意味・わかりやすい解説
チャオチヤンミエン
ちゃおちやんみえん / 炒醤麺
中国料理名で、日本では豚みそうどん、俗にジャジャメンともいう。北京(ペキン)、天津(てんしん)方面に広くつくられた料理で、とくに一般の日本人の嗜好(しこう)に適し広く愛好されている。これはゆでた麺(めん)にいろいろの具と醤(チヤン)(豚みそ)をかけ、少量のスープで食する。炒醤(チャオチヤン)の作り方は種々あるが、鍋(なべ)に少量の油を入れ、豚ひき肉とネギ、ショウガのみじん切り、ニンニクなどを加えてよく炒(いた)め、酒、みそ(好みにより砂糖も)、スープを加えて、みそを2倍に薄めてどろりと仕上げる。具はキュウリ、薄焼き卵の糸切り、シバエビの塩ゆで、ハクサイ、シイタケ、タケノコのせん切り、豆もやしなどすべてに火を通しておく。スープを別につくる。食べ方は、ゆでた切麺(チエミエン)(生うどん)の熱いものをそれぞれの皿に盛り、具は別皿に美しく盛り合わせ、別器に醤とスープを別々に入れて供する。各自は皿の麺の上に、好みの具を彩りよく取り合わせて、醤をのせ、スープをかけて自分の箸(はし)で混ぜ合わせながら食べる。もし皿にスープが残る場合は、かけたスープの量が多すぎたのである。一般に麺類は点心(てんしん)であるが、いわゆる軽食、小食としてとる。
[野村万千代]