チャシブゴケ(読み)ちゃしぶごけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャシブゴケ」の意味・わかりやすい解説

チャシブゴケ
ちゃしぶごけ
[学] Lecanora allophana (Ach.) Th. Fr.

地衣類チャシブゴケ科の1種。低地から山地樹皮に着生し、灰白色で薄く、粒状または痂(か)状で、地衣体の縁(へり)には黒色の縁どりがある。子器(しき)は皿状で、直径0.5~1.5ミリメートル。内部赤褐色で、縁の部分が白色をしている。北半球に広く分布し、日本では北海道から九州にかけてみられる。

 チャシブゴケはチャシブゴケ属の総称名としても使う。チャシブゴケ属は日本で約95種が知られているが、各種類の正確な分類はまだ未確定である。チャシブゴケ属には岩上に着生する痂状の地衣が多いが、ときに樹皮に着生するものもある。チャシブゴケ属のクロイボゴケLecanora atraは、山地の岩上に着生し、まれに樹皮上にも生える。クロイボゴケの子器は暗黒色を呈する。

[井上 浩]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャシブゴケ」の意味・わかりやすい解説

チャシブゴケ(茶渋苔)
チャシブゴケ
Lecanora subfusca

チャシブゴケ科の固着地衣類の1種。体は灰白色で薄くて不規則な亀裂をもっている。縁は下に生じる菌糸によって黒色を呈する。髄層は白く,ここに緑藻が入ってゴニジアになる。赤褐色で径5~15mmの盤子器多数つける。子嚢胞子無色

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