日本大百科全書(ニッポニカ) 「チーズバエ」の意味・わかりやすい解説
チーズバエ
ちーずばえ / 乾酪蠅
cheese skipper
[学] Piophila casei
昆虫綱双翅(そうし)目環縫亜目チーズバエ科に属する昆虫。小形で体長3、4ミリメートル。頭部は扁平(へんぺい)で2対の頭頂剛毛がある。複眼は雌雄とも幅広く、触角端刺(しょっかくたんし)は裸出する。額(がく)は前半黄色、後半は黒色光沢。脚(あし)の基節、腿節(たいせつ)基部半分と跗節(ふせつ)が黄褐色である。世界中に広く分布する。成虫はヨーロッパやアメリカではチーズ工場などに普通にみられ、幼虫はチーズ、肉製品、乾物など貯蔵食品に大量に発生することがあり、食品害虫として重要な種である。幼虫は体を丸めてばねにして飛び上がる性質があり、チーズスキッパーの英名をもつ。東京では肉質のごみなどの周辺にも普通にみられる。幼虫は食品といっしょに誤って食され、激痛を伴う消化管ハエウジ症を引き起こす。
[倉橋 弘]