チーノ・ダ・ピストイア(読み)ちーのだぴすといあ(その他表記)Cino da Pistoia

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チーノ・ダ・ピストイア」の意味・わかりやすい解説

チーノ・ダ・ピストイア
ちーのだぴすといあ
Cino da Pistoia
(1270ころ―1336)

イタリア詩人法学者。本名Guittoncino de' Sighibuldi。ピストイアの名家出身。シエナペルージア、ナポリその他の大学で法学部教授を歴任し、ラテン語による法学論文を多く著した。しかしそれにもまして、清新体派の重要な詩人として知られ、セルバッジャという名の貴婦人をめぐる数多くの愛の詩編を残した。ダンテ友人であり、ペトラルカの師でもあった。

[鷲平京子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チーノ・ダ・ピストイア」の意味・わかりやすい解説

チーノ・ダ・ピストイア
Cino da Pistoia

[生]1265/1270. ピストイア
[没]1336/1337. ピストイア
イタリアの詩人。本名 Guittoncino de' Sighibuldi。「清新体」派に属する。ボローニャ大学で法学を修め,政治的には当時の黒党にくみした。教皇権に対して皇帝権の優越を主張し,『法典講解』 Lettura in Codicem (1314) を書いた。主要作品は G.コンティーニ編『13世紀詩人集』 Poeti del Duecento (1960) に収録

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世界大百科事典(旧版)内のチーノ・ダ・ピストイアの言及

【清新体】より

…この呼称は青年時代この流派に加わったダンテが《神曲》の中で用いたもので(煉獄篇第24歌),シチリア派や旧世代のトスカナの詩人から自分たちの詩風を区別する〈新しい優美な様式〉を指していったものである。この流派の創始者とされるのはボローニャ出身の詩人グイニツェリ(1240ころ‐76)であり,ダンテのほか,G.カバルカンティ,チーノ・ダ・ピストイア(1270ころ‐1337ころ)らが代表的詩人である。同派の新しさは言葉(トスカナ語)の精錬を通じて心地よい響きを得ようとする文体的側面にあると同時に,その中心的主題であった〈愛〉の概念の中にも認められる。…

※「チーノ・ダ・ピストイア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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