日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボローニャ大学」の意味・わかりやすい解説
ボローニャ大学
ぼろーにゃだいがく
Universita Degli Studi di Bologna
イタリアのボローニャにある国立大学。11世紀の創設と推定され、パリ大学とともに世界最初の大学として、世界の大学制度の原型となった。当初、ローマ法を講じるイルネリウスの講義を聴くためヨーロッパ各地から集まってきた学生が結成した組合団体Universitasから発生し、「あらゆる地域の学生が集まる学苑(がくえん)」を意味するStudium Generaleともよばれた。1158年、神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ・バルバロッサの特許状を得て、法学研究を主とする大学として公認され、13世紀にはローマ法王からも認可を受けた。そのころすでに医学、神学、哲学の各学部が設置され、14世紀には数学部も加えられた。とくに医学部は世界で最初に解剖学の教授と実習を行った学部であり、南ヨーロッパの学術の中心となり、おびただしい数の学生を各地からひきつけた。ダンテやペトラルカもここで教鞭(きょうべん)をとった。1802年、国立大学となり、多大の自治権を有しつつ、財政的には国家とその他の財源でまかなわれている。現在は、経済学、法律学、文芸・哲学、教育学、心理学、医学、数学、物理・自然科学、工業化学、薬学、工学、農学、獣医学などの17学部を擁する、同国の代表的な総合大学となっている。2000年現在、学生数約10万人とイタリアでもっとも大きい大学の一つである。
[喜多村和之]