ティフィナグ文字(読み)ティフィナグもじ(その他表記)alfabet Tifinagh[フランス]

改訂新版 世界大百科事典 「ティフィナグ文字」の意味・わかりやすい解説

ティフィナグ文字 (ティフィナグもじ)
alfabet Tifinagh[フランス]

サハラ砂漠に住むトゥアレグ族の用いる文字で,〈ラクダの時代〉(前200年以降)の岩面彩画・刻画にあらわれる。先行する古代サハラ文字alfabet Saharien Ancienから派生した。古代サハラ文字とのちがいは,90度の転回,180度の転回による文字の加重重複),付属的な記号鉛直線,点,文字の端の二次的な変形)の付加などである。ティフィナグ文字はいわゆる牛耕式で,上下左右どちらから書き始めてもよいが,アドラール・デジフォラスの岩面刻画には下から上に向かうものが多い。古代ティフィナグ文字は発音することはできるが,まだ解読されていない。しかし時代の新しいものは,一部のトゥアレグ族が現在も用いているティフィナグ文字から,ある程度推測できる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 重信 木村

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android