テッキ
てっき
Bonaventura Tecchi
(1896―1968)
イタリアの小説家。第一次世界大戦に参戦し、捕虜になってドイツに抑留された。『砂に書かれた名前』(1924)で人間の孤独と自然への共感を散文詩を思わせる文体で描き、作家として出発した。円熟期の代表作『バレンティーナ・ベリエル』(1950)、『エゴイストたち』(1962)では、孤独な人間のエゴイズムや他人との軋轢(あつれき)を、精緻(せいち)でリアルな文体で描いている。ドイツでの抑留体験からドイツ文学に興味をもち、のちにローマ大学のドイツ文学教授になった。『二十世紀のドイツ作家』などの評論もある。
[竹山博英]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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テッキ
Tecchi, Bonaventura
[生]1896.2.11. バニョレージョ
[没]1968.3.30. ローマ
イタリアの小説家,ドイツ文学者。緻密な計算と抑制のきいた文体による心理描写にすぐれ,作風にはドイツ・ロマン派の影響が強い。『カロッサ論』 Carossa (1947) や小説『エゴイストたち』 Gli egoisti (59) ,『棄てた土地』 La terra abbandonata (70) のほか翻訳多数。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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