テッサロニキ国際映画祭(読み)てっさろにきこくさいえいがさい(英語表記)Thessaloniki International Film Festival

知恵蔵 「テッサロニキ国際映画祭」の解説

テッサロニキ国際映画祭

ギリシャ北部のテッサロニキで、毎年11月に開催される映画祭。Thessaloniki International Film Festival(TIFF)。新人の発掘に力を入れている。ギリシャの文部省が理事として参加している国を挙げての催しであり、ヨーロッパ南東部で最大、バルカン半島最古の映画祭。国内外から7万人の聴衆や数百人の招待客が参加し、150以上の映画が上演される。
前身は1960年に始まったWeek of Greek Cinema。92年にコンペティション部門を設立し、国際映画製作者連盟(FIAPF)に国際映画祭として認定された。審査員は、映画監督や映画評論家、女優など7名。フランシス・F・コッポラやフェイ・ダナウェイ、カトリーヌ・ドヌーブなどが投票に参加したこともある。賞は国際コンペティション部門、長編映画部門、短編映画部門などに分かれて選出され、「国際審査員賞」や「人間の価値賞」「女性と機会均等賞」など種類もさまざま。
本部はOlympion映画館。映画祭開催のほかにも、新人監督の脚本を支援する基金の設立、学生にメディアリテラシーを推進する教育プログラムなどの活動も行っている。
2008年、第49回で北野武監督がゴールデン・アレクサンダー名誉賞を受賞。同賞は優れた功績を残した監督に与えられるもので、日本人としては初の受賞。これまでに受賞したのは、ピーター・グリーナウェイホウ・シャオシェン、ヴィム・ヴェンダース、ジョン・マルコビッチなどで、北野監督は5人目。
また、日本では国際コンペティション部門のグランプリにあたるゴールデン・アレクサンダー賞に杉森秀則監督の「水の女」、高橋陽一郎監督の「水の中の八月」などが選ばれたことがある。

(富岡亜紀子 ライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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