知恵蔵 「テッサロニキ国際映画祭」の解説
テッサロニキ国際映画祭
前身は1960年に始まったWeek of Greek Cinema。92年にコンペティション部門を設立し、国際映画製作者連盟(FIAPF)に国際映画祭として認定された。審査員は、映画監督や映画評論家、女優など7名。フランシス・F・コッポラやフェイ・ダナウェイ、カトリーヌ・ドヌーブなどが投票に参加したこともある。賞は国際コンペティション部門、長編映画部門、短編映画部門などに分かれて選出され、「国際審査員賞」や「人間の価値賞」「女性と機会均等賞」など種類もさまざま。
本部はOlympion映画館。映画祭開催のほかにも、新人監督の脚本を支援する基金の設立、学生にメディアリテラシーを推進する教育プログラムなどの活動も行っている。
2008年、第49回で北野武監督がゴールデン・アレクサンダー名誉賞を受賞。同賞は優れた功績を残した監督に与えられるもので、日本人としては初の受賞。これまでに受賞したのは、ピーター・グリーナウェイ、ホウ・シャオシェン、ヴィム・ヴェンダース、ジョン・マルコビッチなどで、北野監督は5人目。
また、日本では国際コンペティション部門のグランプリにあたるゴールデン・アレクサンダー賞に杉森秀則監督の「水の女」、高橋陽一郎監督の「水の中の八月」などが選ばれたことがある。
(富岡亜紀子 ライター / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報