テッポウウリ(その他表記)squirting cucumber
Ecballium elaterium A.Rich.

改訂新版 世界大百科事典 「テッポウウリ」の意味・わかりやすい解説

テッポウウリ
squirting cucumber
Ecballium elaterium A.Rich.

地中海地方からカフカス地方付近に野生するウリ科のつる性多年草であるが,日本では一年草的に栽培される。茎は地表をはって四方に広がり,全体に粗い毛が密生している。葉は互生して長い葉柄があり,三角状心形で,縁は多少波状にちぢれ,多肉質である。巻きひげはない。花は雄花雌花があり,共に黄色で花冠は5裂している。果実は長楕円形,長さ約7cm,表面には粗い毛が密生し,熟すと黄色くなり,柄から離れる時,柄のとれた穴から勢いよく種子を射出する性質があるところから,テッポウウリという名がついた。果肉はたいへん苦く,エラテリンという配糖体を含んでいて,苦い果汁をはれものにつけたり,下剤として薬用に用いることがある。種子は茶褐色で,長さ約5mm。日本では薬用植物園などでまれに栽培されるくらいで,めったに見られない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のテッポウウリの言及

【ウリ(瓜)】より

…子房は下位で多くは3室があり,側膜胎座に多くの胚珠をつけるものが多いが,まれに少数のものがある。果実は液果状で,ふつうは裂けないが,ゴキヅル(イラスト)のように中央で横にふたをとるように裂けるもの,テッポウウリのように熟して果実が柄からはなれると,内部の果液とともに種子を射出するものもある。 ウリ類の果実の形,色,果肉の性質などは,メロン類,カボチャ類,それにヒョウタンに見られるように変異に富み,ときには同一種でありながら全然別物に見えることもあるし,利用のしかたがまるで異なることもある。…

※「テッポウウリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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