テトラジン(その他表記)tetrazine

改訂新版 世界大百科事典 「テトラジン」の意味・わかりやすい解説

テトラジン
tetrazine



窒素4原子を含む6員環芳香族複素環化合物。窒素の位置によって,上に示す3種の異性体が考えられるが,aは誘導体のみ知られ,bは未知の化合物である。よく知られているのはcで,syn-テトラジンともよばれる暗赤色結晶で,融点99℃。昇華性で,水,エチルアルコール,エーテル可溶である。濃塩酸と加熱すると窒素とヒドラジンNH2NH2に分解する。
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関連語 敬人 竹内

化学辞典 第2版 「テトラジン」の解説

テトラジン
テトラジン
tetrazine

C2H2N4(82.07).N原子4個とC原子2個からなる複素六員環の名称(a)~(c)の3種類の異性体が考えられるが,このうち(c)の骨格をもつ化合物は知られていない.また,(b)は誘導体のみが知られている.(a)はジアゾ酢酸エステルからテトラジンジカルボン酸を経て合成される.紫赤色の柱状結晶.融点99 ℃.水,有機溶媒に可溶.昇華性があり,閉管中でのみ保存可能である.還元すると容易にジヒドロ体(融点125~126 ℃ の黄色柱状晶)になり,1,2,4-トリアゾールに異性化する.ジヒドロ体を空気中で加熱するとテトラジンに戻る.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テトラジン」の意味・わかりやすい解説

テトラジン
tetrazine

化学式 C2H2N4ベンゼン環の炭素原子4個を,窒素原子に置換した形の化合物。1,2,4,5-テトラジンがよく知られている。暗赤色柱状晶。融点 99℃。爆発性がある。

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