テニュアトラック制(読み)テニュアトラックせい

大学事典 「テニュアトラック制」の解説

テニュアトラック制
テニュアトラックせい

文部科学省(以下,文科省)で2006(平成18)年度以降進めている,40歳以下の博士号を持っている若手研究者が,そのキャリア初めから,講座などに所属せず,自ら研究室を主宰して研究を行うことを支援する制度政府の第4期科学技術基本計画(平成23年度閣議決定)の中で進められている。日本の大学等の若手研究者が,グループや講座に所属するのではなく,若い時代から自立して研究に専念できるようにするために導入された。各大学の計画書に基づいて文科省により採択される。資格は博士号取得後10年以内の研究者で,職は5年を標準とした任期付きである。所属大学等には,国際公募を実施するなど透明性の高い選考方法をとる,任期終了後のテニュアポスト(任期付きではない常勤の職)を用意する,採用された教員(テニュアトラック教員)が研究主宰者として自立して研究活動に専念できる環境(研究スペース,研究支援体制など)を整備することなどが求められる。テニュアトラック教員には,文科省からの研究費の給付など多くのサポートがある。
著者: 赤羽良一

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

知恵蔵mini 「テニュアトラック制」の解説

テニュアトラック制

若手研究者が自立した研究環境で研究・教育者としての経験を積み、最終審査によって終身雇用が保障された専任教員となる制度。この制度により終身雇用を保障された教員をテニュアと言う。米国の大学で発祥し普及した制度で1970年には米国の全大学教員のうち55パーセントがテニュアだったが、2007年には31パーセントに低下している。日本では、06年より文部科学省がテニュアトラック制の導入を進める事業を実施しており、13年現在、多くの大学で同制度が取り入れられている。

(2013-8-5)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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