ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テラメネス」の意味・わかりやすい解説
テラメネス
Thēramenēs
[没]前404/前403
古代ギリシア,アテネの政治家。穏健寡頭派の政治家として知られるが,過激派と連合することも多かったため,古代から評価が分れている。前 411年シチリア遠征敗北後の 400人評議会によるアテネでの寡頭派政権に参加したが,すぐにこれを倒して,より中道的な 5000人の国制制定に活躍。その後は海軍を率いてヘレスポントス方面に転戦。アルギヌサイの海戦で遭難者救助を怠ったとして,責任を追及されそうになったが,逆に将軍たちを告訴し,処刑にいたらしめた。前 405年すでに敗色濃く,スパルタに包囲されたアテネ側から敵将リュサンドロスとの交渉にあたり,講和全権大使としてスパルタにおもむき,かろうじてアテネの存続を保った。前 404年には三十人僭主の一人として政権に参加したが,クリチアスら過激派と対立し,処刑された。死後,アリストテレスに高く評価された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報