ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リュサンドロス」の意味・わかりやすい解説
リュサンドロス
Lysandros
[没]前395. ハリアルトス
古代ギリシア,スパルタの将軍,政治家。前 407年海軍総督となり,ペロポネソス艦隊の建直しやペルシアとの政治折衝などにたずさわり,翌年にはノチウムの海戦を勝利に導いた。アルギヌサイの戦いののち再び艦隊の指揮をとり,前 405年アイゴスポタモイの戦いでアテネ海軍に壊滅的打撃を与え,決定的な勝利を収めた。この結果アテネはついに降伏するにいたった。アテネ降伏ののち,彼は同市に「三十人僭主」として知られる寡頭政治を行わせた。前 395年コリント戦争が勃発すると陸軍を率いてボイオチアに侵入,ハリアルトスに進軍し,そこでの包囲戦で戦死した。彼は傑出した才能の持主であったが,その傲慢さと自分の野心のためには何事をも辞さないという態度によって多くの敵をつくった。ネポスとプルタルコスによる伝記が残っている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報