人間の病気はすべて合わせて404あるとする説。人間の肉体は四大によって構成されているので,構成要素の調和が失われると病気が起こり,おのおのの要素について101ずつの病があるとする。すなわち,地大が増すことによって黄病(おうびよう)が起こり,水大が積もることによって痰病(たんびよう)が,火大が盛んになることによって熱病が,風大の動きが激しくなることによって風病が起こるのである。これら404病のうち,風大,水大によって起こる202病を冷病に,地大,火大による202病を熱病に2大別することもある。仏教経典中に表れる病名は種々あって,病名,病数も必ずしも同じでなく,またそれらについての説明や解釈も一様でない。
執筆者:井ノ口 泰淳
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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仏教における人間の病気の総称。人間の体は、地・水・火・風の四大(四つの要素)よりなるものであり、この四大が不調であると四大おのおのに101の病が生ずるという。すなわち、風大(ふうだい)が動いておこる風病に101あり、地大(ちだい)が増しておこる黄病に101あり、火大が盛んとなっておこる熱病に101あり、水大が積もっておこる痰病(たんびょう)に101あり、つごう四百四病となる。
[高橋 壯]
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