化学辞典 第2版 「テルル化水銀」の解説
テルル化水銀(Ⅱ)
テルルカスイギン
mercury(Ⅱ) telluride
HgTe(328.19).HgとTeとの直接反応のほか,NH4HTeとHgCl2との反応などで得られる.黒色で金属光沢のある立方晶系結晶.せん亜鉛鉱型構造.密度約8.6 g cm-3.融点約660 ℃.Ⅱ-Ⅵ半導体であるが,バンドギャップがきわめて小さく(ゼロギャップ半導体ともいう),半金属とも考えうる.熱硝酸に溶けてH2Teを発生する.半導体材料に用いられる.たとえばCdTeとの固溶体などは,IR検知器などに用いられる.[CAS 12068-90-5]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報