半金属(読み)ハンキンゾク

デジタル大辞泉 「半金属」の意味・読み・例文・類語

はん‐きんぞく【半金属】

金属非金属との中間性質をもつ元素硼素ほうそ珪素けいそ砒素ひそテルルなど。類金属元素メタロイド

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精選版 日本国語大辞典 「半金属」の意味・読み・例文・類語

はん‐きんぞく【半金属】

  1. 〘 名詞 〙 半導体と金属との中間に相当する性質をもつ、ビスマスアンチモン砒素などの総称

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化学辞典 第2版 「半金属」の解説

半金属
ハンキンゾク
metalloid, semimetals

半金属に対応する英語には,metalloidとsemimetalがある.普通は,両者とも下記の【】の意味に用いているが,後者を【】の意味に使用して区別することもある.ただし,IUPACは1990年勧告でメタロイドは不明確であるからsemimetalを使うほうがよいとしている.【】長周期型周期表において,ホウ素アスタチンとを結ぶ斜線の左側の元素は金属,右側は非金属元素に大別される.しかし,この斜線上およびその近傍にある元素,ホウ素,ケイ素ゲルマニウムヒ素,アンチモン,テルル,ポロニウムは,金属と非金属との中間的な性質をもっていて半金属とよばれる.いずれも単体は常温で固体,電気の導体ではなく,結晶格子は金属のような最密充填構造ではない.【】金属と同じように自由電子(正孔)をもっているが,その密度が金属に比べてはるかに小さい(1/10000程度)物質をいう.低温では特異な電気的,磁気的性質を示す.単体の結晶では,黒鉛,ヒ素,アンチモン,ビスマスなどがこの例である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「半金属」の意味・わかりやすい解説

半金属
はんきんぞく
semi-metal

メタロイドともいう。金属元素と非金属元素の中間的性質を示す一連の元素の総称。たとえばメタロイドであるアンチモンやビスマスなどは電導性を示すが,抵抗は銅の 10~100倍ほど大きい。しかし金属と同じように温度上昇とともに抵抗が増大する。これらの性質はメタロイド原子の電子構造による。周期表において典型元素では右上に非金属,左下に金属元素が位置するが,メタロイドはその中間の対角線付近に位置する。メタロイドにはホウ素,ケイ素,ゲルマニウム,ヒ素,アンチモン,ビスマス,テルル,ポロニウムなどがある。

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世界大百科事典(旧版)内の半金属の言及

【金属元素】より

…しかし境界線付近のケイ素,ゲルマニウム,スズ,ヒ素,アンチモン,ビスマス,テルルなどの元素はしばしば両者の中間的な挙動を示し,条件によって金属的な形態と非金属的な形態をとるものや,半導体となるものなど,一連の特異な性質が現れる。そのため,これらを〈半金属metalloid〉と呼ぶこともある。金属元素はまた〈化学変化によって陽イオンになりやすい元素〉,すなわち電気的陽性の元素とも定義される。…

※「半金属」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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