ディエゴガルシア(その他表記)Diego Garcia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディエゴガルシア」の意味・わかりやすい解説

ディエゴガルシア
Diego Garcia

インド洋中央部,チャゴス諸島最南端にある環礁。インド洋イギリス領土 BIOTの一部。チャゴス諸島で最大の約 44km2の陸地面積を有し,長さ約 24km,幅が最大約 11kmの V字型のサンゴ礁でできている。周囲は砂浜になっており,礁湖北端外洋に通じている。16世紀初頭ポルトガル人に発見され,長らくモーリシャス属領であったが,1965年にモーリシャスから分離され,新たに成立した BIOTの一部となった。ココヤシからのコプラ生産が唯一の経済活動であったが,1966年にアメリカ合衆国とイギリスが結んだ協定によりアメリカ軍施設が建設され,その拡張のため農園労働者らは 1970年代初めにモーリシャスなどへ移住させられた。1970年代後半から 1980年代にかけてアメリカの空軍・海軍施設の拡充が進み,地域の非武装状態の維持を望んだインド洋沿岸国はこれに激しく反発した。1990年代後半,ディエゴガルシアを含むチャゴス諸島の元住民が帰還を求めて訴訟を起こし,2000年にイギリスの裁判所が島民への立ちのき強制を違法と判断。アメリカとイギリスの当局は再定住化の計画に反対したが,2006年にも 2000年の司法判断を支持する判決がくだった。定住者はおらず,アメリカやイギリスの軍人や軍関係の契約事業者ら約 4000人が駐在している。

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