ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディオドロス・シケロス」の意味・わかりやすい解説
ディオドロス・シケロス
Diodōros Sikelos
[没]前21頃
古代ギリシアの歴史家。エジプトやローマに旅行し,『世界史』 Bibliothēkē historikēを著わした。全 40巻から成り,3部に分れる大作である。第1部は,エジプト,メソポタミア,アッシリア,ギリシアなどの神話時代を扱い,第2部は,トロイ戦争後から,アレクサンドロス3世 (大王) の死まで,第3部は,ユリウス・カエサルのガリア戦争の初期までとなっている。一部は断片であるが,ヘカタイオス,エフォロス,テオポンポス,アリストブロス,クレイタルコスらの散逸した諸史料を含み,彼の著述した作品自体も貴重であるが,散逸した記述の復元の手掛りとしても重要である。
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