デジデリオダセッティニャーノ(その他表記)Desiderio da Settignano

改訂新版 世界大百科事典 の解説

デジデリオ・ダ・セッティニャーノ
Desiderio da Settignano
生没年:1428-68

イタリア彫刻家フィレンツェ石工の家に生まれ,1453年に同地の彫刻家組合に登録される。短い活動期間は,おもにフィレンツェのサンタ・クローチェ教会の〈カルロ・マルズッピーニ墓碑〉や,サン・ロレンツォ教会聖器室の祭壇彫刻の制作にあてられた。浅浮彫彫刻に優れ,ドナテロの〈スティアッチャートStiacciato〉技法の影響を受けてはいるが,ドナテロの激しい感情表現や力強いリアリズムとは逆に,光を柔らかく明暗のうちに包む繊細な装飾的効果を特徴とする。また彼に帰されている数点の半身像彫刻も,モデルの微妙な心理状態を優美で洗練された造形感覚で表している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

デジデリオ・ダ・セッティニャーノ
Desiderio da Settignano

[生]1430頃. セッティニャーノ
[没]1464.1. フィレンツェ
イタリアの彫刻家。1453年フィレンツェの石彫および木彫家組合に加盟。主として大理石彫刻家として活動。ドナテロおよびルカ・デラ・ロッビアの影響を受けながら,繊細なモデリング,特にドナテロが創始したスティアッチアートを用いて,やさしい情感のこもる優美な抒情的作風を確立し,初期ルネサンスの代表的な彫刻家の一人となる。作品は『幼児キリストと聖ヨハネ』(1461以後,フィレンツェ,バルジェロ国立美術館),『カルロ・マルズッピーニ墓碑』(1455,フィレンツェ,サンタ・クローチェ聖堂),『マドンナ・デラ・ターボラ』(1461,オルビエト大聖堂)など。

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