普及版 字通 の解説
12画
[字訓] わるがしこい・ぬすむ・たのしい
[説文解字]
[字形] 形声
声符は兪(ゆ)。兪に偸・(愉)(とう)の声がある。兪は舟(盤)と余(外科用の曲刀)に従い、余を以て膿血を盤に輸(おく)り除く意で、それによって疾が癒(い)え、心が愉(たの)しくなる。〔説文〕十二下に「巧黠(かうけつ)なるなり」とあり、また偸と声義が近い。一時の僥倖を貪ることをもいう。
[訓義]
1. わるがしこい、うとんずる、あなどる。
2. ぬすむ、ごまかす、かりそめに。
3. 愉と通じ、たのしい、たのしむ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 タノシ・タノシビ・ウスシ・モタ・ヨロコブ・ココロヨシ・アナドル・カザル
[語系]
・偸tho、佻thy、盜(盗)dはみな声義近く、偸薄の意があり、通用の義がある。愉快のときにはjioの音でよむ。
[熟語]
安▶・閑▶・居▶・合▶・恃▶・食▶・生▶・惰▶・佞▶・薄▶・靡▶・風▶・冒▶・末▶・▶・容▶・楽▶・快▶・娯▶
[下接語]
強・
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報