とこそ(読み)トコソ

デジタル大辞泉 「とこそ」の意味・読み・例文・類語

と‐こそ

[連語]格助詞「と」+係助詞「こそ」》
「と」の意を強調する。
「おいらかに鬼―向ひゐたらめ」〈帚木
命令形に付いて)命令の意を強調する。→とぞ
「いかに罪人、急げ―」〈虎明狂・瓜盗人

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「とこそ」の意味・読み・例文・類語

と‐こそ

  1. ( 格助詞「と」に係助詞「こそ」の付いたもの )
  2. 「と」の意を強調して表わす。
    1. [初出の実例]「屎(くそ)(な)すは、酔ひて吐き散らす登許曾(トコソ)〈此の三字は音を以ゐる〉我が那勢の命、如此(かく)為つらめ」(出典古事記(712)上)
  3. ( 命令形に付いて ) 命令の意を重々しく強めて表わす。謡曲で多く用いられる。
    1. [初出の実例]「急いで立てとこそ、いやいやえ罷り立つまじ」(出典:謡曲・丹後物狂(1430頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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