トビイロウンカ(読み)とびいろうんか(英語表記)brown plant-hoppers

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トビイロウンカ」の意味・わかりやすい解説

トビイロウンカ
とびいろうんか / 鳶色浮塵子
brown plant-hoppers
[学] Nilaparvata lugens

昆虫綱半翅(はんし)目同翅亜目ウンカ科Delphacidaeに属する昆虫。セジロウンカヒメトビウンカとともにイネ害虫として有名。長翅型と短翅型があり、体長は長翅型で翅端まで4.5~5ミリメートル、短翅型で約3.3ミリメートル。体は全体が淡褐色ないし暗褐色で、鈍い光沢がある。頭部の隆条は顕著でなく、後脚第1跗節(ふせつ)に2~6本の棘(とげ)が列生する。東南アジアに広く分布し、イネ科草本類に寄生する。日本では晩夏から発生量が増えるので「秋ウンカ」の名がある。近似種にトビイロウンカモドキN. bakeri、ニセトビイロウンカN. muiriが知られ、雄の生殖器の形状で区別される。これらの種も日本に分布し、イネの害虫である。

[林 正美]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トビイロウンカ」の意味・わかりやすい解説

トビイロウンカ
Nilaparvata lugens

半翅目同翅亜目ウンカ科。体長 (翅端まで) 3.5~5mm。体は黄褐色ないし暗褐色で光沢がある。セミに似るが頭部は小さく,翅は長い。後肢 跗節第1節下面に2~5本のとげがあるのが Nilaparvata属の特徴である。有名なイネの大害虫で,晩秋に被害が多いので「秋ウンカ」とも呼ばれる。日本全土,台湾,東南アジアに分布する。近縁にトビイロウンカモドキ N. bakeriとニセトビイロウンカ N. muiriが知られる。 (→ウンカ , セジロウンカ )  

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