日本大百科全書(ニッポニカ) 「セジロウンカ」の意味・わかりやすい解説
セジロウンカ
せじろうんか / 背白白蝋虫
plant hoppers
[学] Sogatella furcifera
昆虫綱半翅(はんし)目同翅亜目ウンカ科Delphacidaeに属する昆虫。体は淡黄色で、顔や頭楯(とうじゅん)、小楯板の両側は黒色。前翅は半透明で、爪(そう)状部先端には暗色紋がある。雌には体全体が黄白色で黒斑(こくはん)の退化した個体が知られる。変異型がみられ、長翅型は体長(翅端まで)3.5~4.5ミリメートル、短翅型は体長2.5ミリメートル内外である。
イネ科植物にすみ、1年に4、5回発生する。イネの害虫としてとくに有名で、「夏ウンカ」ともよばれる。日本全土をはじめとして、オーストラリア区やエチオピア区を除く世界各地に分布する。近似種のセジロウンカモドキS. longifurciferaとは顔や雄生殖器の形態で区別される。
[林 正美]