セジロウンカ(読み)せじろうんか(その他表記)plant hoppers

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セジロウンカ」の意味・わかりやすい解説

セジロウンカ
せじろうんか / 背白白蝋虫
plant hoppers
[学] Sogatella furcifera

昆虫綱半翅(はんし)目同翅亜目ウンカ科Delphacidaeに属する昆虫。体は淡黄色で、顔や頭楯(とうじゅん)、小楯板の両側黒色。前翅は半透明で、爪(そう)状部先端には暗色紋がある。雌には体全体が黄白色で黒斑(こくはん)の退化した個体が知られる。変異型がみられ、長翅型は体長(翅端まで)3.5~4.5ミリメートル、短翅型は体長2.5ミリメートル内外である。

 イネ科植物にすみ、1年に4、5回発生する。イネの害虫としてとくに有名で、「夏ウンカ」ともよばれる。日本全土をはじめとして、オーストラリア区やエチオピア区を除く世界各地に分布する。近似種のセジロウンカモドキS. longifurciferaとは顔や雄生殖器の形態で区別される。

[林 正美]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セジロウンカ」の意味・わかりやすい解説

セジロウンカ
Sogatella furcifera

半翅目同翅亜目ウンカ科。体長 (翅端まで) 4~4.5mm。セミに似た体形で,頭部胸部より幅が狭く,頭頂は複眼前縁より前方に突出する。体は黄白色で,小楯板 (しょうじゅんばん) の中央には顕著な黄白色縦条があり,その両側は黒い。翅は透明で,雄では翅端部が黒色を帯びることがある。各種のイネ科植物につき,7~8月頃水田に大発生するので「夏ウンカ」とも呼ばれ,イネの大害虫として有名。日本全土,台湾,東南アジアに広く分布する。 (→ウンカ , トビイロウンカ )  

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百科事典マイペディア 「セジロウンカ」の意味・わかりやすい解説

セジロウンカ

半翅(はんし)目ウンカ科の昆虫の一種。体長4mm内外,淡黄色地に黒斑がある。日本全土のほか熱帯地方に広く分布。寒地では越冬できず,毎年風によって暖地から運ばれるものと推定される。俗に夏ウンカといわれ,トビイロウンカ秋ウンカ)とともにイネの害虫として知られる。イネの根ぎわに群生して汁を吸う。被害を受けたイネは下葉が枯れ,発育悪く,著しい減収になる。年に4〜5回発生。
→関連項目ウンカ

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セジロウンカ

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