改訂新版 世界大百科事典 「トベーリ」の意味・わかりやすい解説
トベーリ
Tver’
ロシア連邦,ヨーロッパ・ロシアのほぼ中央にある同名州の州都。人口40万7000(2005)。トベーリを,この州出身の革命家M.I.カリーニンを記念して1931年にカリーニンKalininと改称。90年旧称にもどる。モスクワの北西約167km,モスクワとサンクト・ペテルブルグを結ぶ鉄道が通過している。車両製造・綿織物・化学繊維・機械・印刷など各種工業が行われ,大学・専門学校が3校,劇場・博物館がある。12世紀に建設され,13世紀にはトベーリ公国の都となったが,1485年モスクワのイワン3世により併合された。以後,商業および手工業の中心地として栄え,19世紀から繊維工業も発展。第2次大戦中,ドイツ軍に占領されて荒廃したが,復興した。この市の商人ニキーチンAfanasii Nikichin(?-1472)は,15世紀後半インドに旅行し《三海洋周遊記》をのこしている。
執筆者:倉持 俊一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報