トリクロロ白金酸カリウム(読み)トリクロロエチレンハッキンサンカリウム

化学辞典 第2版 の解説

トリクロロ(エチレン)白金(Ⅱ)酸カリウム
トリクロロエチレンハッキンサンカリウム
potassium trichloro(ethylene)platinate(Ⅱ)

K[Pt Cl3(C2H4)]・H2O(386.60).IUPAC命名法による正式名称は,トリクロリド(η2-エテン)白金(Ⅱ)酸カリウム(potassium(trichlorido(η2-ethene)palatinate(Ⅱ))).K[Pt(η2-C2H4)Cl3].W.C. Zeiseが1827年に発表した,炭化水素のπ錯体として最初のもの.これを記念してツァイゼの塩ともいう.Pt Cl2のHCl水溶液に長時間C2H4を通じ,さらにKClを作用させるとK塩として得られる.反応はSnCl2触媒で促進される.Zeiseは,PtCl2とPtCl4との混合物をエタノール中で黒変するまで長時間煮沸加熱後,残さと濃KCl水溶液から結晶を得た.淡黄色の単斜晶系針状結晶.二色性がある.Ptは四配位で,平面正方形の中心に位置し,3個のClと1個のC2H4が正方形の各頂点に位置する.C2H4のC=C軸は錯体平面に直角で,π電子により中点で配位している.Pt-Cl2.30 Å(シス形),2.34 Å(トランス形),Pt-C2.13 Å,C=C1.37 Å.真空中に放置すると水を失って無水物となる.感光性がある.常温空気中で徐々に分解し,200 ℃ に熱すると分解が促進される.[CAS 16405-30-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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