化学辞典 第2版 「トリフェニルアルシン」の解説
トリフェニルアルシン
トリフェニルアルシン
triphenylarsine
As(C6H5)3(306.24).クロロベンゼン,三塩化ヒ素,および金属ナトリウムの反応により合成される.無色の板状結晶.融点61 ℃,沸点232~234 ℃(1.8 kPa).エーテル,ベンゼンに可溶,冷エタノールに微溶,水に不溶.毒性がある.室温では空気中で安定である.ヨウ化メチルとアルソニウム化合物(C6H5)3(CH3)AsIをつくるが,ヨウ化エチル,そのほかのハロゲン化アルキルとではこの種の反応は起こらない.電子供与体としての性質を備え,遷移金属錯体の配位子として用いられる.[CAS 603-32-7]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報