備え(読み)ソナエ

デジタル大辞泉 「備え」の意味・読み・例文・類語

そなえ〔そなへ〕【備え/具え】

ある事態が起こった場合などに対する準備用意。「万全の―で試験にのぞむ」
防備態勢・陣立て。「国境の―を固める」
[類語]用意支度したく準備設け手配手配り手回し手筈てはず手当て段取りぜん立て道具立て下拵したごしら下準備態勢整備備える前前かねてかねがね何時か既往これまで従来従前し方先年当年一時一頃その節先に当時古来あらかじめ年来旧来在来その昔前以て先立ってかつてすでに見越し先刻早め根回し早手回し手を回す地固めなら布石事前先手下見予習伏線つとにとうにとっく示し合わせる言い合わせる申し合わせる打ち合わせる口裏を合わせる

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精選版 日本国語大辞典 「備え」の意味・読み・例文・類語

そなえそなへ【備・具・供】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「そなえる(備)」の連用形の名詞化 )
    1. 物、状態、条件などをととのえること。また、それらを具備した状況や設備。準備。
      1. [初出の実例]「今人武を習はず、又其の備(ソナヘ)无し」(出典:大日経義釈延久承保点(1074)一三)
      2. 「生母の追孝の為に、三牲の備(ソナヘ)を調へて」(出典:太平記(14C後)一二)
    2. 特に、攻撃などに対し防備・警戒すること。また、その人。
      1. (イ) 警固に当たる人。
        1. [初出の実例]「度する所の僧は、王の侍衛の具(ソナヘ)なり」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点(1099)九)
      2. (ロ) 警固の態勢。軍の構え・陣立てや軍の隊列
        1. [初出の実例]「さて新九郎よしたつそなゑの中より、むしゃ一きすすみいづる」(出典:大かうさまくんきのうち(1605頃))
      3. (ハ) 他からの働きかけに対応する心の準備、用意。
        1. [初出の実例]「此所でも津田の備(ソナ)へは手薄であった」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一三五)
    3. ( 供 ) 神仏・貴人などにそなえるもの。
      1. (イ) そなえる食べ物や品物。おそなえ。
        1. [初出の実例]「閻魔の庁に参りたりつるに、いひ知らぬそなゑを奉れるによりて」(出典:今鏡(1170)九)
      2. (ロ) そなえ餠のこと。おそなえ。鏡餠
        1. [初出の実例]「無いやつのくせにそなへをでっかくし」(出典:雑俳・柳多留‐初(1765))
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ひとまとまりになる器具物事、または、神へのそなえ物を数えるのに用いる。ぐ。
    1. [初出の実例]「鼓吹一(ひと)(ソナヘ)」(出典:天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))

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