日本歴史地名大系 の解説
トーサムポロオホーツク竪穴群
とーさむぽろおほーつくたてあなぐん
[現在地名]根室市温根元
オホーツク海に面したトーサムポロ湖開口部右岸、標高一〇メートルの海岸段丘に位置する。オホーツク文化期の六軒の竪穴住居跡と一〇ヵ所の小貝塚があった。昭和一一年（一九三六）から同一五年に北構保男と須見洋によって調査が実施されたが、当時は竪穴住居跡が窪んで地表面から観察できた。しかし現在は埋まったり削られたりしており、地表面からは確認できない。オホーツク文化期の刻文土器とおびただしい骨角器、竪穴周辺の貝塚からは石匙・骨針・骨銛・骨斧・石鏃・管玉、人の頭蓋骨の一部、鳥管骨、鹿角器、ペン型骨銛などが多数出土している。遺跡周辺には擦文時代の墳墓があり、またトーサムポロ湖の周りには約一千七〇〇軒の竪穴住居跡が肉眼で観察できる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報