日本歴史地名大系 「根室市」の解説 根室市ねむろし 北海道:根室支庁根室市面積:五一二・六八平方キロ昭和三二年(一九五七)八月根室郡の根室町と和田(わだ)村が合併し市制を施行して成立。同三四年花咲(はなさき)郡歯舞(はぼまい)村を編入。同三八年釧路支庁厚岸(あつけし)郡浜中(はまなか)村大字後静村(あとしずむら)の一部を編入。同四一年旧根室町域の字地名を廃し、現行政名に変更。同四二年旧和田村域の六大字、同四三年旧歯舞村の六大字がそれぞれ廃され、現行政名に変更されて現在に至る。市の面積五一二・六八平方キロは歯舞諸島の面積九九・九四平方キロを含み、風蓮(ふうれん)湖の面積五七・五平方キロは境界未定のため含まない。根室支庁管内の東端に位置し、西は浜中町、北西部は野付(のつけ)郡別海(べつかい)町。東部は太平洋に突き出る根室半島で、その東方に歯舞諸島が点在している。西の厚床(あつとこ)から東端の納沙布(のさつぷ)岬までは約五五キロで、東西に細長い。森林地帯と牧草地帯からなり、北西部に風蓮湖、中央部に温根(おんね)沼がある。河川は風蓮川・別当賀(べつとうが)川のほかは短く細い川が多い。人口は根室市街地に集中するが、太平洋に面する海岸部には昆布漁を中心とする漁家が点在し、歯舞・花咲港・厚床・落石(おちいし)にも市街地が形成されている。太平洋岸の丘陵を釧路方面から根室市街地にJR根室本線(花咲線)が通る。これにほぼ並行して北を国道四四号が通り、厚床からは別海町方面に国道二四三号、標津(しべつ)郡標津町方面に国道二四四号が延びている。根室半島部には半島を一周する道道三五号、根室市街地から太平洋岸沿いに浜中町方面へ道道一二三号(北太平洋シーサイドライン)が走っている。近世にはキイタップ場所、後にネモロ場所のうち。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「根室市」の意味・わかりやすい解説 根室〔市〕ねむろ 北海道東端,根室半島全域を占める市。根室振興局の所在地。1957年根室町と和田村が合体して市制。1959年歯舞村を編入。地名はアイヌ語ニムオロ (樹木が繁茂するところの意) に由来。宝暦4 (1754) 年松前藩が航路を開き,運上屋(→運上)を設置したのが起源。以来漁港として繁栄。明治2 (1869) 年開拓使庁根室出張所,1897年根室支庁が置かれ,北海道東端の行政中心地,漁業基地として発展。第2次世界大戦中,戦災を受けたが,戦後水産都市として復興。根室湾に面して根室港,太平洋に面して北洋漁業の基地花咲港があり,サケ,マス,イカ,タラなどを水揚げする。ハクチョウが飛来する風蓮湖,国指定天然記念物の花咲の根室車石と落石岬のサカイツツジ自生地をはじめ,温根沼,納沙布岬など観光資源にも恵まれ,一帯は野付崎とともに,野付風蓮道立自然公園に属する。西月ヶ岡遺跡,根室半島チャシ跡群はともに国の史跡。JR根室本線,国道44号線の終点。243号線を分岐する。面積 506.25km2(歯舞群島の面積 94.84km2を含む)。人口 2万4636(2020)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by