トールック(その他表記)Friedrich August Gottreu Tholuck

改訂新版 世界大百科事典 「トールック」の意味・わかりやすい解説

トールック
Friedrich August Gottreu Tholuck
生没年:1799-1877

ドイツのプロテスタント神学者ベルリン,後ハレ大学教授。苦学し,はじめアラビア語,インド語を学んだが,信仰覚醒運動の聖書的キリスト教に目を開かれ,神学に転じた。ネアンダーJ. A. W. Neanderの影響を受け,信仰覚醒運動の代表的神学者となり,合理主義に抵抗した。その特徴は,神学の方法や学問性でなく,建徳的,牧会的要素を強調したところにあり,シュライエルマハーの偉大な対抗者と言われる。概念的な鋭さを欠いていたため教義学は不十分であったが,新約聖書注解や《合理主義の歴史》(1853-65)など教会史の仕事がある。その指導的影響下からとくにM.ケーラーが出ている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トールック」の意味・わかりやすい解説

トールック
Tholuck, Friedrich August Gottreu

[生]1799
[没]1877
ドイツの神学者。東洋語を学んだのち,特に J.A.W.ネアンダー思想の影響を受けて神学に転じ,ベルリン (1820~26) ,ハレ (26) 各大学の教授をつとめる。調停神学代表者であり,ドイツにおける信仰覚醒運動に尽力した。また教化的意図をもった聖書注解を出版した。主著"Die Lehre von der Sünde und dem Versöhner,oder die wahre Weihe des Zweiflers" (23)。

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