と拍子(読み)とひょうし

精選版 日本国語大辞典 「と拍子」の意味・読み・例文・類語

と‐ひょうし‥ヒャウシ【と拍子】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )( 「どひょうし」とも。「と」は接頭語 ) =とっぴょうし(突拍子)
    1. [初出の実例]「此筋は銀も見しらず不自由さよ〈芭蕉〉 ただとひゃうしに長き脇指〈去来〉」(出典:俳諧・猿蓑(1691)五)

と拍子の語誌

( 1 )教訓抄」に見られる太鼓の奏法「突拍子(とひょうし)」に基づくと思われるが、「色葉字類抄」などにある楽器の「銅鈸子」「銅拍子」と混同されたのか、濁音で「土拍子(どひょうし)」とする場合も多い。
( 2 )元祿・宝永(一六八八‐一七一一)の頃から、強調形として「とっぴょうしもない」「とひょうしもない」の形も用いられるようになった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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