銅拍子(読み)どびょうし

精選版 日本国語大辞典 「銅拍子」の意味・読み・例文・類語

ど‐びょうし ‥ビャウシ【銅拍子】

〘名〙 (「とびょうし」とも) 小型の銅鈸(どうばち)。おもに古代芸能・民俗芸能で用いられる。現行舞楽迦陵頻」では舞人がこれを手にして舞う。現在の民俗芸能で用いる手平金(てびらがね)歌舞伎の「ちゃっぱ」はこの系統の楽器。どうびょうし。どんびょうし。銅鈸子
※色葉字類抄(1177‐81)「銅鈸子 トヒャウシ 鈸即鉢也」
※雑俳・雪の笠(1704)「調拍子も・まばらまばらに夏かぐら」
[語誌]本来「ドウバチシ」〔観智院本名義抄〕と読まれ、仏供養の際の迦陵頻の舞に用いられたが、中世以降「トビャウシ」〔元和本下学集、日葡辞書〕、「ドビャウシ」〔義経物語〕とよばれている。よび方の変化に伴い、「銅拍子」「頓拍子」「土拍子」「調拍子」などと漢字表記もいろいろ見られる。

どう‐びょうし ‥ビャウシ【銅拍子】

※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉十月暦「巫子姿の少女四人が銅拍子(ドウビャウシ)をとれば」

どん‐びょうし ‥ビャウシ【銅拍子】

十訓抄(1252)七「つづみどんびゃうし取り出でよとて」

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デジタル大辞泉 「銅拍子」の意味・読み・例文・類語

ど‐びょうし〔‐ビヤウシ〕【銅拍子/土拍子】

打楽器の一。中央が椀状に突起した青銅製の円盤2個を両手に持って打ち合わせるもの。仏教儀式では鐃鈸にょうはち田楽では土拍子、神楽などでは手平金てびらがね、歌舞伎下座音楽ではチャッパなどとよばれる。銅鈸子どうばつし。どうびょうし。

どう‐びょうし〔‐ビヤウシ〕【銅拍子】

どびょうし(銅拍子)

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百科事典マイペディア 「銅拍子」の意味・わかりやすい解説

銅拍子【どうびょうし】

日本伝統音楽の打楽器。銅【ばつ】(どうばつ),どびょうし,土拍子,どうばっし,手平金(てびらがね)とも。中央にふくらみのある銅,青銅,鉄などの円板を両手に一つずつ持ち,打ち合わせて音を出す。シンバルと同系。古代・中世の芸能や,民俗芸能で広く用いられる。芸術音楽では下座(げざ)音楽のみに用いられ,チャッパと呼ばれる。仏教で用いられる大型のものを鐃【ばち】(にょうばち)ということもある。

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改訂新版 世界大百科事典 「銅拍子」の意味・わかりやすい解説

銅拍子 (どうびょうし)

銅鈸(どうばつ)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「銅拍子」の意味・わかりやすい解説

銅拍子
どびょうし

銅鈸

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世界大百科事典(旧版)内の銅拍子の言及

【銅鈸】より

… 日本には奈良時代にすでに伝来しており,この当時は雅楽にも用いられていた。平安時代以後〈銅拍子〉の名が生じ,〈どうびょうし〉〈どびょうし〉などとよみ,〈土拍子〉と書くようにもなった。雅楽では,現在では舞楽のときに舞具として小型の銅拍子を使用する(《迦陵頻(かりようびん)》)。…

※「銅拍子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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