と言うもの(読み)というもの

精選版 日本国語大辞典 「と言うもの」の意味・読み・例文・類語

と 言(い)うもの

  1. 「と」で受ける事柄を強調するのに用いる。→と言う
    1. (イ) 数量、時間などを表わす語に付く。
      1. [初出の実例]「二時間計りと云ふものは黙坐して腕を拱(く)んで」(出典浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)
    2. (ロ) 「から」「以来」など、その後の意の、時を表わす語に付く。
      1. [初出の実例]「物心がついて以来と云ふもの」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九)
    3. (ハ) 「は」を伴って、「と言ったら」と同様に用いる。
      1. [初出の実例]「性来の無愛相が、憂に心を奪はれてゐるのであるから、柳之助の様子と云ふものは、無い!」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
  2. ある物事が、結局…と同様なものという意を表わす。
    1. [初出の実例]「あの女のつらアみたか、真中がへこんで、なんのことはねへ、ふみけへしの馬蹄石といふもんだ」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)初)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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