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馬蹄石 ばていせき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

馬蹄石
ばていせき

馬のひづめがあるという石にまつわる伝説。古くは神が馬に乗って,遠方から降臨するという信仰から,石に凹凸のあるのをその降臨された証拠として語り伝えてきたもの。のちに神降臨の信仰が薄れると,貴人や武将が馬に乗った話になってくる。八幡太郎の馬蹄の跡とか,武田信玄の馬の跡などというたぐいである。日本全国に広く分布する伝説で,乗馬の主人公は北九州では神功皇后,中部地方は上杉謙信,武田信玄,関東・東北地方では源義経が多い。駒形神社なども駒の足形に基づくもので,馬蹄石伝説ともとは同じものである。

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デジタル大辞泉の解説

ばてい‐せき【馬×蹄石】

表面に馬蹄のような形のある蒼黒色の石。庭石などに用いる。

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百科事典マイペディアの解説

馬蹄石【ばていせき】

日本各地の伝説で,神や英雄の乗馬が蹄(ひづめ)の跡をとどめたという石。蹄の跡らしいくぼみのある岩石注連縄(しめなわ)などをめぐらしている。東北から関東にかけては源義経山梨県では聖徳太子長野県では上杉謙信武田信玄,北九州では神功皇后がこの伝説の主人公。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

馬蹄石
ばていせき

岩石に蹄(ひづめ)の跡が残っているという伝説。全国的に広く分布し、数々の由来を伴って伝えられている。乗馬の主を英雄もしくは神であったと説く点に特色がある。長野県佐久(さく)市金竜(きんりゅう)寺境内にある馬の蹄の跡は、武田信玄が川中島合戦に出陣の途中、ここに休んでつけたものといい、また、同県塩尻(しおじり)市には、木曽義仲(きそよしなか)の馬蹄石と称する石があって、蹄形のくぼみにたまった水は疣(いぼ)取りに効果があると信じられている。ほかにも、小栗(おぐり)判官、上杉謙信、源頼朝(よりとも)、義経(よしつね)、弁慶といった英雄・豪傑にまつわる馬蹄石は各地に多い。また、神の来臨跡とする例も顕著で、福岡県久留米(くるめ)市の高良(こうら)大社の参道近くにある岩のくぼみは、昔、高良山の神が神馬に乗って通ったときのしるしだという。大分県杵築(きつき)市山香町(やまがまち)には、宇佐の神が乗った神馬の蹄が残る石がある。神が馬に乗って訪れるという古くからの信仰が、馬蹄形のくぼみをもつ岩石の由来譚(たん)として結び付いたとみられる。本来、こうした特別の岩石は、影向(ようごう)石や腰掛石などの伝説にみられるごとく、神の依(よ)り憑(つ)く石としての性格をもち、神祭りの祭壇であったと推定される。のちに、神来臨の信仰の変化から、英雄の乗馬を説くようになったのであろう。[野村純一]

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世界大百科事典内の馬蹄石の言及

【ウマ(馬)】より

…古来の名馬には青黒色のものがあったらしく,代表的なものに池月(いけづき),磨墨(するすみ)がかぞえられる。これは《平家物語》の宇治川の先陣争いの話などから著名になったらしいが,現在でもこの種の名馬の出生地という伝説が石に残る馬蹄の跡(馬蹄石)などを証拠として語られている土地が各所にある。【千葉 徳爾】
【北アジアにおける馬】
 北アジアの馬はモンゴル馬であり,体軀矮小であるが持久力があり,長距離の連続走行によく耐える。…

※「馬蹄石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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