改訂新版 世界大百科事典 「ドロンケ」の意味・わかりやすい解説
ドロンケ
Ernst Dronke
生没年:1822-91
ドイツの社会小説家。コブレンツのギムナジウム教師の子として生まれ,ボン,マールブルクで法律を学ぶ。1846年に《警察物語》《庶民の暮しから》等の真正社会主義的傾向の小説を発表。また同年にはルポルタージュ《ベルリン》も執筆するが,その内容が〈国王に対する不敬〉〈民衆の煽動〉等にあたるとの理由で47年,禁固2年の判決を受け投獄された。48年3月,革命期の混乱に乗じて脱走してブリュッセルへ赴き,そこでエンゲルスと親交を結び,共産主義者同盟に加入。革命期はケルンにて《新ライン新聞》の編集者として活動し,その敗北後もフランクフルト・アム・マインやスイスの各地で再組織に努めるが,同盟崩壊後の1852年ロンドンへ亡命した。
執筆者:松岡 晋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報