日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドン・バン・ミン」の意味・わかりやすい解説
ドン・バン・ミン
どんばんみん
Duong Van Minh
(1916―2001)
旧南ベトナムの軍人、政治家。旧南ベトナム、ミトの生まれ。ゴ・ジン・ジエム政権下で大統領軍事顧問となるが、1963年アメリカの支持を得て反ジエム・クーデターに成功、国家元首となる。1964年、将軍グエン・カーンNguyen Khanh(1927―2013)のクーデターで失脚、駐タイ大使に転出。1968年帰国。1975年サイゴン(現、ホー・チ・ミン市)陥落直前に大統領となり解放勢力との交渉にあたるも果たさず、在任4日目の4月30日降伏。大きな体躯(たいく)のため「ビッグ・ミン」ともよばれた。ベトナム戦争後は長年にわたり拘留されていたが1983年フランスへの出国が認められ、パリ郊外で暮らし、晩年はアメリカ、カリフォルニア州に移り住んだ。
[黒柳米司]