転出(読み)ころがりだす

精選版 日本国語大辞典 「転出」の意味・読み・例文・類語

ころがり‐だ・す【転出】

〘自サ五(四)〙
① ころがってある場所に出てくる。ころがりでる。ころげだす。
※落語・鰍沢雪の酒宴(1889)〈四代目三遊亭円生〉「スーッと凍りが離れて戸が開いた。機会(とたん)客人は雪の中へ転(コロ)がり出して」
② ころがり始める。ころげだす。
※落語・鰍沢雪の酒宴(1889)〈四代目三遊亭円生〉「『〈略〉乃公ァ死んでも死に度無(たくね)エ』と慾張って居ます。囲炉裡の側(ふち)コロコロ転輾(コロガ)り出しましたので」

てん‐しゅつ【転出】

〘名〙
① その居住地を出て、他の地方に移り住むこと。
※薄明(1946)〈太宰治〉「田舎のはうに転出しようかとも考へてゐるのですが」
② 他の職場転任して行くこと。
スタンダールの小説主張(1943)〈大井広介〉「チヴィタ・ヴェッキアに転出しなければならなかった」

こけ‐い・ず ‥いづ【転出】

〘自ダ下二〙 ころげ出る。ころび出る。
随筆・孔雀楼筆記(1768)二「風呂敷づつみをひらけば、さも大なる芋魁(いもがしら)十六七、ぐらぐらとこけ出づ」

まろび‐・でる【転出】

〘自ダ下一〙 ころがり出る。ころげ出る。また、ころがるようにして出る。まろびいず。
※銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉前「円くあいた唇のおくからぴやぴやした声がまろびでる」

まろび‐い・ず ‥いづ【転出】

〘自ダ下二〙 =まろびでる(転出)
今昔(1120頃か)二「押し開きて見れば、端厳美麗なる男子、丸び出たり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「転出」の意味・読み・例文・類語

てん‐しゅつ【転出】

[名](スル)
今までの居住地を出て他の土地に移ること。「他県へ転出する」「転出届」⇔転入
他の職場へ移ること。「子会社転出する」
[類語]引っ越し転居移住転宅転入移民離村移る動く移動移転引っ越す転ずる転任転属移籍くら替え

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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