日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナガレメイタガレイ」の意味・わかりやすい解説
ナガレメイタガレイ
ながれめいたがれい / 流目痛鰈
流目板鰈
Japanese frog flounder
[学] Pleuronichthys japonicus
硬骨魚綱カレイ目カレイ科に属する海水魚。北海道南部から日本海と太平洋の沿岸に沿って南下し、東シナ海南部まで、瀬戸内海では伊予海まで分布する。別名バケメイタ。メイタガレイときわめてよく似るために同種とされていた。本種は有眼側の体に小さくて円い暗黒色の斑点(はんてん)があること(メイタガレイでは暗褐色の不定形の斑紋が密にある)、鱗(うろこ)の形が細長くないこと、背びれと臀(しり)びれの軟条数がやや少ないこと、腹椎骨が多くの個体で12本であること、通常、頭の背縁に沿って走る側線が前端で分枝することなどの特徴でメイタガレイと区別できる。水深75~210メートルにすみ、多毛類や小形甲殻類を食べる。1年で全長13~16センチメートル、3年で全長19~25センチメートルになる。産卵期は東シナ海では2~3月ごろ、本州ではそれよりも早い。底引網で漁獲される。メイタガレイに比べて肉がやわらかく、鮮度が落ちやすいので、価格はメイタガレイより安い。煮つけ、揚げ物などにする。
[尼岡邦夫]