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揚げ物 あげもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

揚げ物
あげもの

多量の食用油を用いて,食品を高温で加熱する調理法の一つ。食品に,油の香味とからりとした感触を与える。また加熱時間が短くてすむのでビタミンなどの損失は少いが,カロリーが高くなりがちである。食品をそのまま揚げる素揚げ (じゃがいも,なす,かき餅など) ,食品の表面に小麦粉,デンプンをつけて揚げる空揚げ (鶏肉,魚,一部の野菜など) および衣揚げ (てんぷら精進揚げ,泡立卵白入り衣揚げ,パン粉揚げなど) がある。揚げ油には植物性油脂 (ごま油,大豆油など) と動物性油脂 (ラード,ヘッドなど) がある。固形脂を用いた場合は冷えると脂肪が固まって味が悪くなることがある。揚げ材料には魚介類,肉類,野菜類などが用いられ,揚げ温度は材料により 150~200℃の範囲である。 13世紀初頭,中国から帰国した禅僧により日本に伝えられたといわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

揚げ物
あげもの

魚貝類、野菜類などに衣をつけ、またはつけずに、熱した油の中に入れて揚げる調理法。その材料はたくさんの種類がある。普通、魚貝類を植物性の食用油で揚げるものをてんぷら、野菜類を揚げるものを精進揚げといっている。また、動物性の食用油、ラード、ヘット、鯨油、魚油などを用いて揚げたものは、厳密にいうとフライというべきであるが、てんぷらの名を用いていることもある。
 揚げ物は一般に衣をつけて揚げるものが多い。「新引(しんびき)揚げ」は米の粉を用いる。「吉野揚げ」は、材料に塩をし、かたくり粉をまぶし、次に卵白にかたくり粉少々を加えたものをつけて揚げる。「から揚げ」は、材料にたっぷり小麦粉をつけて、材料の味を逃がさないようにして揚げる。「から」とは「唐(から)」で中国風の意である。「空揚げ」と代用文字を用いることもあり、衣なしのものの意に誤用されることがあるが、衣をつけないで揚げるのを正しくは「素(す)揚げ」という。「金ぷら」は、椿油(つばきあぶら)を用い、衣にそば粉少々を加えるものをいうが、明治中ごろから、衣に卵黄を多く入れたものの意とし、また卵白を用いたものを「銀揚げ」と称してもいる。「磯辺(いそべ)揚げ」は、衣にのりを加えたものをいう。「みどり揚げ」は、ホウレンソウまたは菊菜(シュンギク)をゆでて、裏漉(うらご)しにかけたものを衣に加えたものをいう。「泡雪揚げ」は、卵白1個を泡立て、その中にかたくり粉大さじ3杯を入れ、混ぜ合わせたものを衣にして揚げる。「竜田(たつた)揚げ」は、砂糖、しょうゆを適量混ぜた中に、鶏肉などの材料を10分ほど浸してから、かたくり粉をつけて揚げたものをいう。「うに揚げ」は、ウニと卵黄、かたくり粉少々でつくった衣をつけて揚げたもので、中火で揚げるのが「こつ」である。このほか洋風、中華風の揚げ物、その和風に変化したものなど種類が多い。
 揚げ物を上手に揚げるには、揚げ油を適当な温度に保つことがたいせつで、これには底のかなり厚い鉄鍋(なべ)を選ぶことが必要である。揚げ油はたっぷり用い、しかも一度に入れる材料の量は、鍋の表面積の3分の1程度を限度とするのが原則である。揚げ油には、ごま油、かや油、椿油、大豆油、菜種油、落花生油、綿実油(めんじつゆ)、米油などの植物油があり、そのほかヘット(牛脂、タローともいう)、ラード(豚脂)などがある。
 揚げ物は、油の温度を一定にし、170~180℃で揚げるのを原則とするが、材料によっては低い温度で揚げることもある。油の温度は、温度計を用いなくても、だいたい見当がつく。油が沸きかかったときに、衣を箸(はし)の先に少々つけて落としてみる。それが底に沈んで浮き上がらないのはだいたい150℃以下、底に沈み浮き上がってくるのは160℃ぐらい、衣が中ほどまで沈んですぐ浮き上がってくるのは170℃ぐらいである。衣が表面で散るのは180℃以上で、揚げ物に適さない。中国の鯉(こい)料理のように、骨まで柔らかに揚げるには、揚げ油も材料も一度冷やしてから二度揚げする方法がよい。[多田鉄之助]

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