日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニュー・フリーダム」の意味・わかりやすい解説
ニュー・フリーダム
にゅーふりーだむ
New Freedom
1912年のアメリカ大統領選挙において、民主党のウィルソンが、革新党のT・ルーズベルトに対抗して掲げた政治スローガン。この選挙で最大の争点となったのは、19世紀末から族生した大企業にアメリカ政治がいかに対処するかであった。ルーズベルトのスローガン「ニュー・ナショナリズム」が、巨大企業をそれ自体としては能率的なものと認め、大企業の有害な独占行為を政府が規制することを主張したのに対し、ウィルソンは、独占の出現を許す状態そのものの改善がなされるべきだとして、法的規制の下で、すべての人々に開かれた自由な機会・競争の回復を「ニュー・フリーダム」で論じた。
[紀平英作]