ニュー・フリーダム(読み)にゅーふりーだむ(その他表記)New Freedom

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニュー・フリーダム」の意味・わかりやすい解説

ニュー・フリーダム
にゅーふりーだむ
New Freedom

1912年のアメリカ大統領選挙において、民主党ウィルソンが、革新党のT・ルーズベルトに対抗して掲げた政治スローガン。この選挙で最大の争点となったのは、19世紀末から族生した大企業にアメリカ政治がいかに対処するかであった。ルーズベルトのスローガン「ニュー・ナショナリズム」が、巨大企業をそれ自体としては能率的なものと認め、大企業の有害な独占行為政府規制することを主張したのに対し、ウィルソンは、独占出現を許す状態そのものの改善がなされるべきだとして、法的規制の下で、すべての人々に開かれた自由な機会・競争回復を「ニュー・フリーダム」で論じた。

[紀平英作]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のニュー・フリーダムの言及

【プログレッシビズム】より

…次のタフト大統領(在職1909‐13)は革新政治家としての個性は比較的弱いが,その在任中には,19世紀後半以来改革運動の懸案であった連邦所得税と上院議員の直接選挙を定めた憲法第16,17修正(ともに1913発効)が成立している。個人の機会保持と自由競争に重点を置く〈ニューフリーダム〉の構想を掲げて登場したウィルソン大統領(在職1913‐21)は,熱心に不正な企業活動を取り締まり,関税を引き下げ,銀行通貨制度の根本的な改革を行い,農民に低利の長期信用を与え,労働条件を改善するための連邦法をつぎつぎに世に送り出した。婦人参政権の憲法第19修正案も1920年に発効成立した。…

※「ニュー・フリーダム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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