改訂新版 世界大百科事典 「革新党」の意味・わかりやすい解説
革新党 (かくしんとう)
Progressive Party
既存の二大政党に対し結成されたアメリカ合衆国の第三政党,または少数派政党の一つ。同一名称で過去3度結成された。第1は1912年,共和党革新派のセオドア・ローズベルトを中心に,当時の革新運動の思潮を反映して企業規制や社会福祉制度の確立をめざした。ローズベルトは元大統領の名声をもとに,現職大統領で共和党保守のタフトと互角に争ったが,同じ革新主義を標榜する民主党のウィルソンに敗れた。第2は1924年,共和党革新派のロバート・ラ・フォレットを中心に,独占企業の抑制や公共事業の国有化を主張。AFLや社会党の支援で票を伸ばしたが,第1次大戦後の経済繁栄と保守化の波に押され,共和党のクーリッジに敗れた。第3は1948年,トルーマン・ドクトリンにみられる対ソ強硬路線に不満をもつ民主党員を中心に結党(進歩党と邦訳されることが多い)。ヘンリー・ウォーレスを大統領候補に立てて公民権法の成立やタフト=ハートリー法の撤廃を求めたが,大きな勢力にはいたらなかった。
執筆者:青木 怜子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報