ノチドメ(読み)ノチドメ(その他表記)Hydrocotyle maritima

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノチドメ」の意味・わかりやすい解説

ノチドメ(野血止)
ノチドメ
Hydrocotyle maritima

セリ科の多年草。やや湿った野原路傍に生え,本州以南,朝鮮半島,中国など東アジアの暖帯亜熱帯に広く分布する。細い茎は地面を横に広がり,あらく分枝し,節からひげ根を出す。葉はまばらにつき,長い柄があって葉身は直径2~3cmの円形,5~7片に中裂し,各裂片には浅い鋸歯がある。夏,葉に対生して葉柄よりも短い柄のある小型の散形花序をつける。花序は小球状で,白色の小花が集ってつく。昔,葉をもんで血止めに使ったのでこの和名がある。同属の近縁種にやや大型で山地に生えるオオチドメ H. ramiflora常緑チドメグサ H. sibthorpioidesなどがある。

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世界大百科事典(旧版)内のノチドメの言及

【チドメグサ(血止草)】より

…日本の本州以南から熱帯アジア,オーストラリア,アフリカに分布し,インドネシアでは食用とされている。 野原や水田のあぜ道にはノチドメH.maritima Honda,オオチドメH.ramiflora Maxim.が多く,山地にはミヤマチドメH.japonica Makinoがある。【村田 源】。…

※「ノチドメ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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