改訂新版 世界大百科事典 「チドメグサ」の意味・わかりやすい解説
チドメグサ (血止草)
Hydrocotyle sibthorpioides Lam.
庭に生える小型のセリ科の多年草。葉をもんで傷口にはれば止血の効果があるといわれ,血止草の名がある。茎はごく細くて地表をはい,節から根を出す。葉はほぼ円形で直径1~1.5cm,ごく浅く5裂し,表面は光沢があって冬も枯れない。初夏から秋にかけて葉腋(ようえき)から短い柄のある,小さい散形花序を出し,緑白色の微細な花を数個つける。花は短い柄があり,花弁は5枚,おしべは5本,子房は下位で,花の中央に2本の柱頭がある。果実は2個の分果に分かれ,分果は半円形で小さい。日本の本州以南から熱帯アジア,オーストラリア,アフリカに分布し,インドネシアでは食用とされている。
野原や水田のあぜ道にはノチドメH.maritima Honda,オオチドメH.ramiflora Maxim.が多く,山地にはミヤマチドメH.japonica Makinoがある。
執筆者:村田 源
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