ノヂシャ(その他表記)Valerianella olitoria (L.) Poll.

改訂新版 世界大百科事典 「ノヂシャ」の意味・わかりやすい解説

ノヂシャ
Valerianella olitoria (L.) Poll.

道端などに普通なオミナエシ科一年草または越年草ヨーロッパ原産の帰化植物で,ヨーロッパやアメリカではコーン・サラダcorn saladとよばれ,茎や葉をサラダとして食べ,栽培もされる。全体にやわらかく,高さ10~30cm,ふたまた状に分枝する。花は小さく,球状に集まり長径1cmとなり,5~6月に咲く。花冠は漏斗状で5裂し,淡青色おしべは3本。子房下位で3室,うち2室は胚珠がない。果実はやや扁平で長さ2~4mm。

 ノヂシャ属Valerianellaは約80種が知られていて,主にヨーロッパからアフガニスタンにかけて分布している。地中海原産のイタリアン・コーン・サラダV.eriocarpa Desv.も栽培されており,ノヂシャと同じように食用とされる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノヂシャ」の意味・わかりやすい解説

ノヂシャ
のぢしゃ / 野萵苣
[学] Valerianella locusta (L.) Laterr.

オミナエシ科(APG分類:スイカズラ科)の一年草または越年草。茎は高さ10~40センチメートル、二又状に分枝する。上部の葉は長楕円(ちょうだえん)形で柄はない。4~6月、茎の先に淡青色の5弁花を密に集めて開く。ヨーロッパ原産の帰化植物で、道端、荒れ地川原などに生える。ヨーロッパではサラダ用として栽培する。

 ノヂシャ属は、茎は叉(さ)状に分枝し、雄しべは3本ある。世界に約60種分布し、日本には本種のほか、モモイロノヂシャ、シロノヂシャが帰化している。

[高橋秀男 2021年12月14日]


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