改訂新版 世界大百科事典 「ノボシビルスク諸島」の意味・わかりやすい解説
ノボシビルスク[諸島]
Novosibirskie ostrova
北極海のシベリア東部沿岸にある島群で,3群からなる。西にラプテフ海を,東に東シベリア海を分け,全島ロシア連邦のサハ共和国に属する。総面積3万8000km2。南からリャホフ群島,アンジュ群島,デ・ロング群島とよび,四つの大きな島と数個の小島からなる。最も大きな島はアンジュ群島(狭義にはこれをノボシビルスク諸島という)のコテーリヌイKotel'nyi島(面積1万1700km2,最高点は全諸島の最高点で374m)。7月の平均気温は3℃と暖かく,山地も低いので氷河は発達せず,永久氷雪(ネベ)が覆うか,裸地またはツンドラで,沿岸には湿原や砂州が発達する。トナカイ,レミング(タビネズミ),ホッキョクギツネがすみ,夏には海鳥が無数に集まる。まれにホッキョクグマも出現する。沿岸にはいくつかの小さな集落があり,住民は漁労やトナカイ放牧に従う。1933年以来,コテーリヌイ島にロシアの極地観測ステーションが設けられている。
執筆者:渡辺 一夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報