ノミ類(読み)ノミるい(英語表記)Siphonaptera; flea

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノミ類」の意味・わかりやすい解説

ノミ類
ノミるい
Siphonaptera; flea

ノミ目に属する昆虫の総称双翅類近縁の小型の昆虫で体は左右に扁平,は完全に退化する。頭部は触角間の縫皺によって前後に分れる。触角は短く,触角溝中に納まる。単眼はなく,複眼を欠くものもある。口器宿主の体を刺して血液を吸うのに適している。肢は長く,よく発達し,後肢は跳躍肢となっている。 跗節は5節で1対の爪がある。体,肢に特徴的な剛毛列があり,いずれも雌は雄より大きい。幼虫は白色,円筒形で無脚であるが,体に斜め後方に向って多数の剛毛が生えている。宿主の皮膚のはがれ落ちたもの,糞,宿主の巣中の塵埃中にある有機物などを食べて育ち,完全に成熟すると繭を紡ぎ,その中で蛹化する。日本産は約 75種,全世界で約 2000種が知られる。いずれも鳥や獣から吸血し,病原体の媒介を行うものが少くなく,ペスト (ケオプスネズミノミによる) は特に有名である。 (→昆虫類 )  

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