口器(読み)こうき(英語表記)mouth parts; trophi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

口器
こうき
mouth parts; trophi

節足動物の口を囲み,食物の感知,摂取,咀嚼をする一群付属肢または突起をもつ器官総称。動物の種類により構成要素は異なるが,上唇大顎小顎下唇,下咽頭などから成り,摂食習性により,噛み型,吸い (吸収) 型,刺し型,なめ型など,変化に富む諸型があり,また化学的受容器がみられる。

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百科事典マイペディアの解説

口器【こうき】

節足動物の口の周囲にあり,食物の摂取,咀嚼(そしゃく)に役だつ器官の総称。発生初期に付属肢から分化する。甲殻類や多足類では上唇,大あご,第1・第2小あごよりなり,何対かの顎脚が加わることもある。昆虫では,上唇,大あご,小あご,下唇,下咽頭(いんとう)からなる。摂食習性などと関連して,咬み(そしゃく)型,吸い型,刺し型,舐(なめ)型などが区別される。
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世界大百科事典 第2版の解説

こうき【口器 mouth‐parts】

節足動物の頭部には食物を摂食し,かみ砕く口器があるが,これは胚の口陥前後に生じた付属肢から分化した一群の器官からなるものである。付属肢は1対ずつあるのが原型であるが,口器では二次的に癒合するものもある。甲殻類や多足類の口器は一つの上唇,1対の大あご,1対ずつの第1・第2小あごからなり,高等なものには何対かの顎脚が加わる。昆虫類では上唇・大あご・小あご・下唇・下咽頭(舌)からなっていて,1対の下唇は真ん中で癒合する。

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大辞林 第三版の解説

こうき【口器】

無脊椎動物、特に節足動物の口部を構成し、摂食や咀嚼そしやくに関係する器官の総称。昆虫類では上唇・大顎・小顎・下唇・下咽頭から成るが、食性により咬み型・吸い型などが区別される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

口器
こうき
mouth organs

甲殻類や昆虫類など節足動物の口の周辺にあって食物の摂取やそしゃくに用いられる頭の付属肢や突起物をまとめた呼称。甲殻類、たとえばザリガニでは、大あご、第1小あご、第2小あご、第1顎脚(がっきゃく)、第2顎脚、第3顎脚が各1対あり、大あごの前に上唇(じょうしん)、後ろに下唇の突起物がある。また、昆虫類のバッタのように草を食べる種類では、大あご、小あご各1対の前を上唇が覆い、後ろには下唇があり、内部に下咽頭(かいんとう)(舌)が位置する構成になっている。ほかの昆虫類でも基本的には同じ構成であるが、食性によって変化し、吸う口、刺す口、なめる口などに応じて各部分が変形している。なお、カイコやカゲロウのような短命の成虫では口器は極端に退化している。多足類のムカデやヤスデの類も1対の大あごと2対(ムカデ)または1対の小あごを備えている。しかし、クモ形類のクモなどでは口器とよべるものはない。口器には化学的な感覚器が分布し、食物かどうかを見分ける働きをしている。[中根猛彦]

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精選版 日本国語大辞典の解説

こう‐き【口器】

〘名〙 無脊椎動物、特に節足動物の口の周囲にあって食物の摂取や咀嚼(そしゃく)の働きをする器官の総称。脊椎動物など、高等な動物の場合にはあまりいわない。動物の種類によって構造が異なり、大あご、小あご、上唇、下唇、触肢、鋏角(きょうかく)などを含む。食性により、咬(か)み型、吸い型、なめ型などがある。

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