ハイドゥー(その他表記)hajdú; hayduks

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハイドゥー」の意味・わかりやすい解説

ハイドゥー
hajdú; hayduks

トルコ支配時代 (15~19世紀) のバルカン半島北部の牧畜民呼称。転じてセルビアブルガリアワラキアモルドバなどで異民族の領主官吏による抑圧,搾取と戦ったパルチザンをさす。語源ハンガリー語。通常,トルコの圧迫を逃れて山林などにたてこもった農民から成り,傭兵として定収入が得られない場合はしばしば山賊化した。ハンガリーでは 17世紀初頭トランシルバニア侯ボチカイがハプスブルク家の支配に対する戦力としてハイドゥーの援助を求めて以来,ティサ川以東の地域に国境警備の義務を課して,入植させる政策がとられた。ポーランドではもっぱらハンガリー風の服装をした歩兵廷丁をさす。

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世界大百科事典(旧版)内のハイドゥーの言及

【ハイドゥク】より

…オスマン帝国のヨーロッパ支配地域,とくにバルカン地方の義賊。所によって名称は異なり,ハイドゥーhajdú(ハンガリー語),ハイドゥクhaiduc(セルビア語,ルーマニア語),クレフテスkléftis(ギリシア語)等と呼ばれたが,その活動の時期はほぼオスマン帝国支配の時期に一致する。 バルカンに数多く伝わるハイドゥク伝説によれば,生活の貧苦やトルコ人の暴虐に耐えかねて村を出た彼らは山地にこもって匪賊集団(たいてい10~80人程度)を形成した。…

※「ハイドゥー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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