ボチカイ(英語表記)Bocskai István

改訂新版 世界大百科事典 「ボチカイ」の意味・わかりやすい解説

ボチカイ
Bocskai István
生没年:1557-1606

ハンガリーの大地主貴族,政治家。トルコ侵入によるハンガリーの三分割状態のもとで,はじめトランシルバニア公バートリに仕え,公国のハプスブルク化と対トルコ戦争に貢献するが,ハプスブルクの宗教的・政治的圧迫に反発し,オスマン帝国の支援をえて,1604年反ハプスブルク反乱(ボチカイの乱)を起こした。05年公となり,翌年ウィーンの和でハンガリー人貴族の自治新教の宗教上の自由,公国の独立を認めさせた。彼以後,トランシルバニア公国をハンガリー人貴族自治の砦とする考えが始まった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボチカイ」の意味・わかりやすい解説

ボチカイ
Bocskay István

[生]1557. トランシルバニア,コロスワール
[没]1606.12.29. スロバキア,カシャ
トランシルバニア侯 (在位 1605~06) 。ハンガリーの民族的英雄。オスマン帝国の援助を得てトランシルバニアからオーストリア軍を撃退し,ハプスブルク家の神聖ローマ皇帝ルドルフ2世のハンガリー併合の野心をくじき,ウィーン和約 (06.6.) によってハンガリー全土の政治的権利と宗教の自由を尊重することを誓約させた。内政においてはハンガリー貴族の自治権,宗教的自由を擁護し,ハイドゥー兵士に貴族身分を保障,またセーケイ人の自由も回復した。しかし侯位即位後1年にしてカシャ (現スロバキアのコシツェ) で急死した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のボチカイの言及

【ベトレン】より

…ハンガリーの小貴族出身の政治家。16世紀のトルコの侵入によりハンガリーが三分割されたあと,ボチカイらと協力して,トランシルバニア公国を拠点としてハンガリー王国の独立性の回復をはかった。1613年から29年までトランシルバニア公。…

※「ボチカイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android