ハッチ‐スラック回路(読み)はっちすらっくかいろ

法則の辞典 「ハッチ‐スラック回路」の解説

ハッチ‐スラック回路【Hatch-Slack pathway】

C4-ジカルボン酸経路という別名もある.C4植物が大気中の二酸化炭素を取り込み,葉の中でホスホエノールピルビン酸と反応してオキサロ酢酸を生じる.これはアミノ化されてアスパラギン酸となるか,還元を受けてリンゴ酸の形に変化するが,いずれにせよ維管束に移動して二酸化炭素を放出してピルビン酸に戻る.放出された二酸化炭素はカルヴィンサイクル*に組み込まれ,ビルビン酸はATP作用でホスホエノールピルビン酸に代わって回路が完成する.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のハッチ‐スラック回路の言及

【C₄植物】より

…多くの植物の光合成における炭酸固定経路がカルビン回路(還元型ペントース回路)であることは1946年以来,M.カルビンらの研究によって確認された。ところが65年にコーチャックH.P.Kortschakはサトウキビでは炭酸固定がC4ジカルボン酸回路(ハッチ=スラック回路)によって行われることを明らかにし,その後,このほかにも200種ほどの草本でこの回路による炭酸固定を行うものがあることを確かめられた。C4ジカルボン酸回路によって炭酸固定を行う植物は,その初期産物がリンゴ酸,アスパラギン酸であり,これらの炭素数から,C4植物と呼ばれている。…

※「ハッチ‐スラック回路」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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